ふらり山旅続編 No5 冬紀行

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またいつか この渓、この山に迷い込んでいる。春から秋に駆け巡った山々、渓谷。葉落とし眠りについた木々たちは雪の中でどんな暮らしをしているのだろう。真冬に訪ねてみることにした。急速に発達した低気圧の影響で天候は最悪である。寒さと風が強くひどい天気である。部落の終点からスキーを履き歩き出す。前日天気が素晴らしく、暖気であったため 樹々達も太陽の明かりをもらいはしゃいでいたんだろう。今日は雪もたくさん積もった。杉の枝が地上におじぎをしている。ストックで突っついてやるが堅くて落ちない。造林杉の雪景色を眺め一時間程でようやく大広久内沢出会到着。本格的な登りにかかる。左前方に小影山を見ながら深雪の吹雪の中スキーを走らせる。二年前通称松茸山を直登し大きな橅まで往復十一時間かけ登ったことがあった。昨夜降った湿った雪が樹々の枝岐れに積もり歩くトンネルを作ってくれた。突っついたり、潜り抜けたりしながら真っ白な雪の森を行く。谷間を走り抜ける風、尾根をたたく風、雪を被った樹々のきしむ音がするだけだ。松茸山まで二時間、雪の状態が変化する。歩く道がチムニーとなって風の乱舞となる。風のいたずらが様々な雪の遊びを表現してくれる。大きなカーブを過ぎると、左側は、抱返り渓谷側に急峻に落ち込む谷がある。雪崩で大きな橅の木が倒れ行く手を遮っている。スキーを脱ぎつぼ足で進む。続く

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